白い狼煙 五
信天翁

   歩き慣れたプロムナードの果て
靄のかかった森をながめて立ち止まる
   杖を支えにねこぜをそらして─
     林の奥は冷たいつむじ風と
リグレットのトルソが潜んでいるのか
   木立のあいだには寒い光の帯と
 カルマの埴輪が立ち並んでいるのか
    そして・・・よくみつめると
  黒い枝先からはたちのぼっていた
      鬼籍らしい白いのろしが
    積乱雲にすいこまれるように


自由詩 白い狼煙 五 Copyright 信天翁 2014-05-17 21:44:36
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