空をとぶ熊
朧月

死んでしまった友人から
もらった熊のぬいぐるみをオークションにだす
並べられた人形はまるで君のよう

どこともあっていない人形の目を
私はこわいとおもい手放そうとしている

君と私が話した夜の公園に
ときどきひとりで行ってみる

君がなにを伝えたかったのか
今でもわからずに
ぶらんこにつかまって空をとぶ

不安なときほどひとりになって
いえない言葉をくりかえし想う
ただしいことだけやってればいいなんて
だれが教えたの
また空をとぶ

並べられたぬいぐるみ
あたたかい手に渡ってほしい


自由詩 空をとぶ熊 Copyright 朧月 2014-05-16 22:11:57
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