のーど
ねなぎ

あの頃は
手紙を
書くことすら
手が震えて


コンパイルをして
焼き込んでみたが
何処かにバグがあったのか
正常な動作をせずに
制御する事が出来なかった

フィードバックが不十分


時々
衝動的に
夜中に書き出して


揮発性により
結局無くなってしまう
この感情が
留めて置けるなら
どの位の容量が
必要だろうか

頭の中に届いたメールに
返信を書こうとしたが
添付の容量の関係で
送れないでいる午後に

稀に
積み上がったディスクでも
整理しようとしたが
机の上が散らかり過ぎて
頭の中は
更に散らかって
思い出せないでいる


そして
明け方に
捨てている
そんな事を
繰り返して
何も
言えないでいた


昔に閉まって置いたはずの
大切な思い出のデータファイルは

5インチなのか3.5か
8インチだったら
どうしようか

セロハンテープで
爪を貼っても
読み取る事も出来ず
とりあえず
咥えてみる


でも
それも
昔の事で


一枚は
システムで
もう一枚は
記憶用

早過ぎる規格の
変化に着いて行けずに
読み込めやしない


今は
書く事すら辞めて


キーボードは
変わらないのに
配列に
慣らされている

今日の夜は
速度が出るだろうか
そして
繋がるのだろうか
どこかに
誰かと


そして
今も何も
言えないでいる


自由詩 のーど Copyright ねなぎ 2014-05-13 00:31:12
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