ひとつ かたわら
木立 悟








髪を梳く花の吹雪に笑む子かな



廃屋をあれは星だと笑む子かな



降る揺れる消える花びら笑む子かな



ふたつの手ひとつに鳴って笑む子かな



片方の目を去るものに笑む子かな



かたわらの羽に埋もれて笑む子かな



まばたきを空に返して笑む子かな



さかさまに降る火かぞえて笑む子かな



水の刃と鏡の声に笑む子かな



逝く花を逝く目にのせて笑む子かな




















俳句 ひとつ かたわら Copyright 木立 悟 2014-05-06 21:41:16
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