滲む記憶 〔ソネット〕
ハァモニィベル

滑べり堕ち、砕け散った破片の
あまりにも激しい叫びが
その一瞬の、すべてを
切り裂く。

慌てながら抱きしめた手を
深く、鋭く、切り裂いた、
あの日の、
傷口から

一筋の想いが
滴り、
始める。

熱く滲み出し、谺する痛みが、
止めどない、心臓の記憶とともに、
ジンジンと、悴んだこの手に、濃く蘇る。





自由詩 滲む記憶 〔ソネット〕 Copyright ハァモニィベル 2014-05-06 04:07:56
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