五反田の夜の光
番田 

誰もいない夜に落ちていく
眠りの中で 目覚める時に
このまま 永遠に 僕は
帰らぬ人となりたい時もある

東京に出てきて
もう 何年だろう 悪いことばかりで
良いことはなかった 振り返れば
悪いことばかりだった

朽ちかけた 友人の思い出が
絆のなくなった 友人たちが 恵比寿駅の
夜の 車窓の向こうの どこかで
暮れゆくビルに霞んで見える

ツタヤに自転車を走らせた そんな日も
確かにあった そんな日も でも 寂しい
金は底をついていた だから売った
思い出を 金に変えた


自由詩 五反田の夜の光 Copyright 番田  2014-04-21 00:16:47
notebook Home 戻る