そこにたどりつく夢
遙洋




果樹よ
みはたわわか
きょうわたしは帰る
だれもいない故郷
だれも食べることない実が
熟れて落ちて土に帰るなら
わたしも帰る
静かな庭に
沈みおちる
音もなく
過ぎる
いく月終える
落葉埋もれる
鳥なく
声なく
目を閉じねむるそこに
わたしも帰る
果樹よ
ひとつでも
みはなっているか
みずみずしく空に
ろうろう映えるうた
それが落ちるところへ
きょうわたしは帰る




自由詩 そこにたどりつく夢 Copyright 遙洋 2014-04-18 11:48:17
notebook Home 戻る  過去 未来