狐石
あおば

                140402

+0パーセントの悲鳴が
2パーセントに達するほど
奥が深くない湾岸の住民たちは
3パーセントアップでも耐えられるはずだ
5パーセントアップだってたぶん大丈夫
津波情報が出るたびにおびえている海辺のわれら住民の悲鳴は
高台に住む二重ガラス窓のエコハウスに住む神々の耳には達しないだろう
断熱断音機能に優れ燃えない神々の住居にたどり着けるのは身軽な鳥達だけではないのか
今朝も宅配用ラジコンヘリが骨董品を運び込むのを横目に
海岸に身を屈めては狐石を拾い集め
いつかに備えている


自由詩 狐石 Copyright あおば 2014-04-02 17:17:13
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