この分析文は、田中宏輔氏の作品『THE GATES OF DELIRIUM。』が、どういう構造・構成で作られているのかを視覚的に見せることを目的として書いたものだ。
本編はこちらで読める。
『THE GATES OF DELIRIUM。』
http://bungoku.jp/ebbs/pastlog/380.html#20131007_419_7061p
(文学極道より)
注)同タイトルのものが複数存在するので、ネット内での題名検索ではなく、このURL先から辿れる作品を読むこと。
作品の書き出しは↓
詩によって花瓶は儀式となる。
(キム・スタンリー・ロビンスン『荒れた岸辺』下・第三部・18、大西 憲訳)
分析文の詳細は以下のとおり。
△:引用文で、句点まで書かれていないものと、句点まで抜き出されているものの、一文(注1)として成り立っていないもの(考察文中では、△にあたる短文の切り出しをコラージュと呼ぶこととする)。
▽:引用文で、詩を扱ったもの(全文か否かは問わず)。
□:引用文で、一文(注1)として成り立っているもの。
◇:引用文で、一文を超えるもの(句点までの抜き出しかは問わず)。
■:著者の書いた文章。段落でつながっているものは一つ。行間の開いた場合はその数だけ■を使う。
▼:著者の書いた詩。
◆:著者の書いた文章と引用文とがつながるように書かれたもの。あるいは混ぜて書かれているもの。
*:本文で使われている区切りをそのまま使用。
→:わたし(こひもともひこ)による注釈または考察文。
注1)ここでの一文とは、その文のみを取り上げた場合に、なんらかの意味を伝達できるかどうかという判断による。判断はわたし(こひもともひこ)の主観による。
・狙い
書かれた言葉の意味・内容ではなく、構造として、この作品がどのように組み立てられているのかを可視化させようとする試み。
ここから分析文を始める。
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『THE GATES OF DELIRIUM。』 田中宏輔
□
△
△
*→引用文×3・コラージュ×2
□
□
■
*→引用文×2・本人文×1
▽→會津八一の短歌
■
■
■
▽→同短歌をローマ字変換したもの。
■
■
△
△
*→引用文×4・コラージュ×2・引用詩×2・本人文×5
□
□
□
*→引用文×3
■
□
*→引用文×1・本人文×1
□
□
□
*→引用文×3
△
△
△
*→引用文×3・コラージュ×3
△
□
△
*→引用文×3・コラージュ×2
□
△
□→引用元の原文あり
◇
◇
*→引用文×5・コラージュ×1
■
*→本人文×1
■
*→本人文×1
◇
□
*→引用文×2
▽→立原道造の短詩
◆
▽→ホラティウスの短詩
■
■
*→引用文×2・引用詩×2・本人文×3
△
□
△
*→引用文×3・コラージュ×2
■
*→本人文×1
□
□
▽→与謝野晶子の短歌
*→引用文×3・引用詩×1
□
△
△
△
△
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△
△
△
△
△
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△
△
△
△
△
△
△
△
△
△
*→引用文×24・コラージュ×23 ここは、引用コラージュと捉える箇所だろう。
▼→『マールボロ。』本人詩。
■
■
◆
△
◆
△
△
△
△
□
△
△
△
△
△
△
△
△
■
△
■
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□
□
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△
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□
△
△
□
■
◆
△
□
■
◇
■
■
■
□
◇
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△
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△
□
◆
◆
□
□
■
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◆
△
◆
◇
◆
□
◆
□
◆
◇
◆
■→『マールボロ。』
□
◆
■→『マールボロ。』
■
◇
◆
■→『マールボロ。』
■
■→『マールボロ。』
■
■→『マールボロ。』
■
■→『マールボロ。』
■
■→『マールボロ。』
□
△
△
△
△
□
△
△
△
*→引用文×60・コラージュ×29・本人文×38・本人詩×1
この作品の一山目はここまでといえるだろう。ここから先は、引用と言葉の置き換えいう手法による効果の実践編となるのだが、これは各々で分析してもらうほかない。実際に、ここでやられている方法による印象変化や効果は、やってみないと理解はできないものだからだ。したがって、
つぎに掲げてあるのは、〜
から
「おいそれさ行(え)ぐんだで!」
〜たしかに日本の「蟹工船」に対する監視船だった。
までのブロックわけはしない。ブロックわけは「それにしても、『マールボロ。』、」からはじめる。また、省略部も含まれるため、ここから先の「×数」のカウントは仮のものとする。
◆→それにしても、『マールボロ。』、
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△
□
△
□
△
□
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◇
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△
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■
◇→作中文字化けしているのは「体軀」
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◇
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◇
◇
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◇
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▽→詩篇
◇
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□
■→それにしても、『マールボロ。』、
■
■→それにしても、『マールボロ。』、
◆□△□△□
□
△
△
□
△
△
△
→(仮)引用文×73・コラージュ×37・引用詩×1・本人文×17
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ここまでは、行ごとの構成を書き出した。
次は、これらのパターンを一列にまとめて、それぞれの構成の比較をする。
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『THE GATES OF DELIRIUM。』 田中宏輔
□△△
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□□■
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▽■■■▽■■△△
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□□□
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■□
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□□□
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△△△
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△□△
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□△□◇◇
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■
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■
*
◇□
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▽◆▽■■
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△□△
*
■
*
□□▽
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□△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△
*
▼■■◆△◆△△△△□△△△△△△△△■△■□□◇□□□□□△□□△△□■◆△□■◇■■■□◇△△□△□◆◆□□■□□◆□◆◆△◆◇◆□◆□◆◇◆■□◆■■◇◆■■■■■■■■■□△△△△□△△△
*省略部
◆□△□△□△□△◇△△△△△△△△□□■◇◆◇◆◇◇◆□◆□◆□◆◆◇△△△△■△□△◆□△△△△□▽◇□◆△□□□□□■△△△△△△△□□□□□■■■◆□△□△□□△△□△△△
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構成文のみの書き出し
*→引用文×3・コラージュ×2
*→引用文×2・本人文×1
*→引用文×4・コラージュ×2・引用詩×2・本人文×5
*→引用文×3
*→引用文×1・本人文×1
*→引用文×3
*→引用文×3・コラージュ×3
*→引用文×3・コラージュ×2
*→引用文×5・コラージュ×1
*→本人文×1
*→本人文×1
*→引用文×2
*→引用文×2・引用詩×2・本人文×3
*→引用文×3・コラージュ×2
*→本人文×1
*→引用文×3・引用詩×1
*→引用文×24・コラージュ×23
*→引用文×60・コラージュ×29・本人文×38・本人詩×1
*省略部
*→引用文×73・コラージュ×37・引用詩×1・本人文×17