泥まみれの天使
ichirou

激しい頭痛に酔って
電柱に頭突きして
奥歯がカチって鳴った

目の前には
泥まみれの天使
泥まみれの天使が私を見上げている
泥水溜まりの中から
泥まみれの天使が私を見上げている
泥まみれの天使は
泥まみれの口元が笑っていて
悔しみの泥水が目から流れている

泥水溜まりの中にも街灯が輝いているのは
そこが現実だから

もう逃げ道はない

いくのだ
生きていくのだ



私が立ち上がると
泥まみれの天使は
泥水溜まりの奥深く
沈んでいった





自由詩 泥まみれの天使 Copyright ichirou 2014-03-24 22:18:40
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