逢瀬を待つ
凛々椿

逢瀬を待つ

隙間には
悲しみを選んだ欠片の屑
触れたら
傷を負うよ
見えない姿で
聞こえない言葉は
左隅の
冷えた空気を
支配する

逢瀬を待つ

時には
母のない子のように 
でも
歌ってみようか
海には母の記憶ばかりが
たゆとうけれど
手紙はね
大事にしているよ
見ることは
もうやめた

逢瀬を待つ

傷を負うよ
触れてはいけないよ
見えない姿で
聞こえない言葉が
左隅に





自由詩 逢瀬を待つ Copyright 凛々椿 2014-03-24 15:27:33
notebook Home 戻る