【 おばさんラプソディー 】
泡沫恋歌

初めておばさんと呼ばれたのは
娘を保育園に預けて働き始めた頃だった
仕事が終わって迎えにいくと
小さな子どもたちが
今度は自分の親の番かと
わくわくしながら遊んでいる

時間外保育の部屋に入っていくと
必ずどの子かが、
「○○ちゃんのおばちゃんがきたでぇー」
大声で知らせてくれる
積み木に夢中だった娘を急かせて
帰る準備をする間にも

「おばちゃん」「おばちゃん」と、
暇を持て余した子どもが私に絡んでくる
たぶん 早く親に会いたい想いと
寂しさもあるのだろうか
子どもにおばさんと呼ばれるのは嫌いじゃない
私もお母さんだという自覚が生まれた

あれから長い歳月が流れて
すっかりおばさんが板に着いた私
もう男に媚びなくていい
旦那に気を使わなくていい
子どもにも手がかからないし
実はおばさんが一番自由人なのだ

苦しい時期もあったけれど
若さと引き換えに得たものがある
元気で好奇心いっぱい
何を言われて堪えない図太い神経
楽しく生きるためのおばさんという免罪符
今の私を心から楽しんでいる


                        2014/03/24
                          


自由詩 【 おばさんラプソディー 】 Copyright 泡沫恋歌 2014-03-24 10:30:52
notebook Home 戻る