大人達はいっていた
最都 優

大人達はいっていた
色んな種類があるほうがいいと
大人達はいっていた
相手のことを考えなさいと
いっていた
大人達はいっていた
周りを見て様子をもっとみるのだと
大人達はいっていた
もっと足元に気を付けなさいと
大人達はいっていた
嫌なことがあればすぐに言うのよと
辛いなら辛いって
いってくれなきゃ解らないわよ?って
いっていた
いつでも目にかけてくれていたのは
自分が無理をすることを知っていたから
経験上
自分がそうだったから
自分がされてきたように
手を引いてくれていたのだ

大人達はいっていた
いつでも私が傍にいる訳じゃないのよ?と
大人達はいっていた
無言の中でいっていた
なんでも自分で出来たと錯覚をしていた
なんでもが嫌になっていた僕を
大人達は支えていた

大人達は偉いや権力を振りかざしてるのではなく
仕方なくがつもり
毎回毎回の
人生における宿題をこなしてるだけなのだとしった

法事や
税金
暮らしや今後の生活に
少しずつのしかかってくる
何かを
少しずつかたしている

今を守るために
今後の自分達を守るために
大人達は戦い続ける

ぼくが戦う武器をもったとき
守るための楯や
創るための道具をもったとき
設計図だけ置いて
無線だけ置いて

大人達はいってしまった
装備した僕は
これをどう使うのかも自由で
使い方だけ間違えなければ
爆発をしない事だけ知っている

ただ、
前にいて
もう戦いから降りようとしている
大人達がいる
最後の最後まで旗をふっていた
大人達だ

僕はどの旗を目指せばいいか解らない

ただ、
僕の旗を見て
ついてくる若い子供達がいる


何かをするたびに危なげに
よろよろしている
少年をみる

それを支える自分
支えかたも
力を入れ違うと
怪我になってしまう


そんな小さな小さな発見が
何故かこそばゆく感じる自分がいる


昭和の最後に生を受けた僕らは
三つの歳を跨いでいる

絶対にならないと思った大人に
気づいたらなっていた
だけど
絶対にならないと誓った大人にはなりきれていない


多分
まだ、教えて貰った時のままで
僕は止まっているからなのだろう

大人達はいっていた
君はまだまだ甘いと
本当にそうだと思う
大人達はいっていた
黙ったままいっていた
その言葉がどれだけ大きいか

今になったからこそ解るんだ
オカズは
多い方がいいよね
先にやるのがどんだけ大事かよく解るよ

やってしまったら仕方ない
御免なさいで次にいこう

いつでも人の気持ちを考えられる
そんな人でいるよ




自由詩 大人達はいっていた Copyright 最都 優 2014-03-23 18:19:43
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