葬列
佐藤伊織

ちゃんとお葬式はすませた?

そう だって もう死んだんだよ
死んだんだ

だからお葬式



望遠鏡買ってもらえたの?

月を
見ていた

はじめて知った
夜って宇宙だったこと


レンズ越しにみえる
参列者は
きっと
月にいる

僕はその月の葬列を
観察していた




ビルの影と
地球の影が
砂の上を交差して
冷たい光が
弔いの涙を
流しながら

僕は死んだ
葬列に参加する
僕の顔をした魚達を見た


あの日見ていた
空にあったのは
沢山の魚の葬列だったのだ



















自由詩 葬列 Copyright 佐藤伊織 2014-03-22 21:03:29
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