転勤族のふるさと自慢その4
Dr.Jaco


青森の温泉・・・いよいよ本題です。


青森県人の奥ゆかしさには用心すべきである。それは彼等の腹を勘ぐっているという
訳では無い。先に、「青森の人に対しては欲しい情報を整理してきちんと尋ねる必要
がある」と言った。ちゃんと聞かないと。

例えば青森の紅葉についてタクシーの運ちゃんに聞くと、「ああそうだねぇ。ここい
らの紅葉は赤じゃなくって黄色ばっかりだからつまんないだろうねぇ」などど、「あ
んた商売する気あんのか」って思いたくなることを言う。赤=京都永観堂などのもみ
じ、であり、黄色=主にブナなのであるが、実際行って見ると、言葉も無いくらい圧
倒される。運ちゃんの言葉を鵜呑みにしていたら、一生後悔していただろう。要注意
である。中部地方の高山地帯でも見れるけど、草紅葉の中に赤・黄・緑の木々が微妙
に色調を変えて点在するハイレベルな紅葉(と私と妻は呼んでいる)を見てしまうと、
都会周辺でがっかりしない紅葉狩りに行くのは無理なのではないかと思えてくる。

話し逸れたが、地元FMを聴いていたら、下北観光協会の方が「いい温泉があるのだ
から、お客さんは来るに決まっている、と青森県で温泉旅館を営む人は考えている。
もっと積極的にPRしないと存亡の危機だ。」と言っていた。そうでしょうな。こん
なにいい温泉がいっぱいあって、どこもガラガラなんて。っていうくらいに空いている。
(ただし、湯巡り観光バスに乗ってはいけない。脱衣所や浴槽の狭いところが多く、
大挙して行くと、立って入浴するはめに・・・)

新参者ではあるが、若干ご紹介させて頂く。(JR東日本のポスターに載っているも
のが多い。実物とはかなり異なる写真もあるが、想像頂くには役立つでしょう)

○蔦温泉
 北八甲田から奥入瀬渓流に下る途中にある温泉。一昨年の冬、大阪の友人が尋ねて
 来た時案内したが、旅館を見るなり「千と千尋や」と言ってた。ひなびて、かつ風
 情のある建物。周辺のブナ林をトレッキングしてから入ると格別。木製の湯舟の真
 下から温泉が湧いており、時々泡が出てくる。当然浴槽からは絶えず湯が溢れてお
 り、湯の流れる床に寝っ転がって(この辺では「トドる」と言う)、天井を見上げ
 ると、自分の情けない詩のことは取り敢えず忘れる。食堂の天丼が旨い。

○猿倉温泉
 白濁の湯。熱いのが苦手な人は入れない。「客が少ない程熱い」のだそうで、入浴
 客によってやっと温度が下がる始末。飲泉(飲む温泉)は熱湯のよう。見知らぬオ
 ッサン達と我慢くらべしたが、あがった後、肩凝りがひいていた。
 8月にいったのだが、宿の御主人曰く、「5時を過ぎれば天然クーラーのスイッチ
 が入りますから、このくらい熱い方がいいんだ」泣かせるねぇ。

ここまでが完全男女別入浴。でも北東北に来て混浴に入ったことがないのはちともっ
たいない。無理強いはしないが、最初強烈な拒否反応を示した妻も今は結構楽しんで
いるのでお勧めである。そもそも白濁の湯を選べば、タオル1枚で充分に隠せるのだ
し、だいたい湯気で良く見えない。混浴の他に女性専用を設けている所もあるが、露
天なら混浴より景色が悪いし、室内なら湯舟が狭い。何より、男女でワイワイ入る楽
しみが味わえない。北東北はいい意味で性にオープンだと感じているが、それが自然
に理解できるのが混浴だと思う。おしゃれにジャグジーなんてしてもダメです。

温泉話は次回も・・・。


散文(批評随筆小説等) 転勤族のふるさと自慢その4 Copyright Dr.Jaco 2005-01-18 23:51:11
notebook Home