詠唱
葉leaf




日光がけたたましく叫んでいる
俺が異端だと激しくなじっている
俺は河川敷を散歩しながら
昨日の家族との団欒を思い返している
家族には異端の概念がない
俺は一人でありながら圧倒的多数だった
圧倒的多数であるがゆえに
無数の少数者から徐々に排斥されていった
校舎の美しい壁に映し出されていた約束を思い出す
人生をフラスコの中で化学反応させる
死んで堆積した俺との約束
川には川を支える石が沈んでいる
俺には俺を分裂させ育む異端が
風のように鳴り響いている
俺は俺にとって異端なのだ
友人たちとの関わりの織物の外で針のように冷たかったとか
社会の工程に組み込まれるだけの機械性の欠落とか
そんなことよりも
すべてを犠牲にしてまでも痛ましい自由を手に入れる
そんな滝の流れ落ちるような熾烈な自然
それが異端であるということだ
人々はどんなに強い愛情の表面にも敵意をにじませ
俺は同じく異端である人々との
離れ離れの不可能な連帯に
涼しい絶望を微笑みながら与え続ける


自由詩 詠唱 Copyright 葉leaf 2014-03-13 02:26:32
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