春/
ハァモニィベル

めざめると
 あたまが
  ひらがなだけになっていた
 このままでは 
じょじょおがない

いやいや
 そんなことはない

   〈はるのためいき〉

 ほら


ひらがなで、あろうが/なかろうが

ここにある はる

そう ことりも こいをうたう はる
なのに
   きみは、もう いない

     (はねになったきみ〉

 ほら



はなのしたで/ねむると
  もう「めざめなくていい」と
  かたくなった/からだが/かたる
 だけど、せめて/うみが
もういちど/うみが/みたい

  しかいに/もはや/いろは
    いろは/もうないが
  だけど/もういちど/みたい

  〈あのおもいでのあおを〉

 ――あおだったはるを



自由詩  春/ Copyright ハァモニィベル 2014-03-07 20:19:32
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