見送り
りょう

見上げると まだ町は見えていた

大人になりはじめてからだ
町が浮きだしたのは
雑音が多かったから
目で追いながらも見送った

町のなくなった地面は
立ち止まると足が沈む
人は 町のないところでは
休めないらしい

そんなことを思いながら
あいかわらず見送っている


自由詩 見送り Copyright りょう 2005-01-17 23:59:11
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