さらば、青春
平瀬たかのり

 求めても求めてもとどかない
 手に入れたと思えば指の間からすり抜ける
 同じ躓きに気持ちは折れかかる
 つまりは失敗の連続

 それでも
 また立ち上がって
 駆けだしていく
 幾度も、幾度だって
 それこそは
 真っ当で眩いほどの
 青春

 初めての栄冠は最後の競走
 香港から伝えられたニュースは
 喜びよりもむしろ
 取り残された痛みを与えて

 ついにあきらめなかった
 黄金の魂が込められた馬体を
 ぼくは目を逸らさずに見送れるだろうか
 いまに見ていろ、が口癖になっている
 ぼくに

 ただ今は
 うつむいてでも言ってみる
 さらば、ステイゴールド
 さらば、青春

  (ステイゴールド)


自由詩 さらば、青春 Copyright 平瀬たかのり 2014-03-01 21:57:50
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