沼のほとり
Lucy

沼のほとりにあなたは立って
覗き込む
濁る水底
揺らぐ藻の影
素早くよぎる魚の気配に
煌めく泡が
まっすぐに
昇ってくるのを待ちながら

言葉の淵にあなたは立って
覗き込む
尾びれの裏に絡み付き
脊椎にまで刻まれた
呪いの声が
痛みの振りをして
立ちのぼるのを

それは私の深い裏切り
血塗られた嫉みの掌から
揺らめきのぼる
一筋の気泡

弱い破線を
あなたはなぞる

そこには無い
あなたの探す言葉
共感に耐えるもの

沼の底から
私は見上げる
空を塞ぐ
あなたの影を








自由詩 沼のほとり Copyright Lucy 2014-02-28 20:57:18
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