セックスからはじまる現代詩
左屋百色

セックスからはじまる現代詩
それは、
無駄に多い性描写
童貞のまま月にたどり着いたロケット

セックスからはじまる現代詩
それは、
風景に溶け込めない看板
ギラギラよりラギラギした看板

セックスからはじまる現代詩
それは、
天井を突き破る血のかたまり
股間にぶら下げた散文

セックスからはじまる現代詩
それは、
処女が妄想で破壊した
味気ない建売住宅

セックスからはじまる現代詩
それは、
豆腐の上の暴力
唇から醤油よりくろい血が流れる映画

セックスからはじまる現代詩
それは、
好きとか嫌いとか
次元の低い会話を斬る洗面所

セックスからはじまる現代詩
それは、
自由という名の毛布
枕のそばにあるコンドーム

セックスからはじまる現代詩
それは、
あなたには書けない
指輪がラギラギしているから

セックスからはじまる現代詩
それは、
開かない窓の内側で
開いてゆくスカートの音

セックスからはじまる現代詩
それは、
やぶれた宇宙で
見つからない下着


現代詩で終わるセックス
それは、
まだ誰も経験した事がない
100年後の言葉



自由詩 セックスからはじまる現代詩 Copyright 左屋百色 2014-02-20 18:42:03
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