最後の雪

ともに歩んできた道はもうそこにはなくて
それでもこのまま行けばいつかまた君と出逢えるかな

雪が降り僕の声は届かない
分かっていてもあの日大好きだった一輪を握りしめて

去年の今日思い出せばあの日も雪だったね
堅く交わした約束は果たされぬまま君はもう

ねぇ笑って もう泣かないで
そういう君の目にも涙がホロリ

「これからずっとも貴方の傍にいるから」
君の声は雪に埋もれて聞こえない

光は白く静かに街を染める
君が見た最後の結晶

涙が落ちた 現実とは儚いね
掌で溶けゆく雪のよう

太陽は光を漏らし
君との思い出も消えてゆくのか

僕が見た君の最期


自由詩 最後の雪 Copyright  2014-02-19 00:11:35
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