砂粒
シズクにて

砂粒のような私を
あなたはそっと掬い上げてくれたけど
その優しい指の隙間から
さらさらと音を立てて こぼれてしまった

なぜ?と問う私に どうして?と責める私に
あなたは幾度となく微笑んで
その度に掬い上げてくれたのに
私はいつも さらさらと音を立てて こぼれるばかり

とうとう あなたは涙を流して
掬い上げるのを ためらった

その時

涙が私を濡らし
小さな泥のかたまりが出来た

あなたは 泥のかたまり掬い上げ
迷わず口に しまい込んだ
誰にも見つからぬよう・・

今なら言えるよ
「ありがとう」

こんなに小さい
小さな私を
救ってくれた あなたへ


自由詩 砂粒 Copyright シズクにて 2014-02-15 14:27:27
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