文学少女崇拝
雨伽シオン

あの子は文学少女のなりそこない
文学の恋に落ちずに流行追いかけ
ピンクのスカートひらりはいて
スイーツ食べに行っちゃうの
さびしいさびしい本が泣いてる

ゲーテにダンテ、ポーも知らない
あの子はかわいいオンナノコなの
文学なんていらない恋する乙女
水玉ポップキュートにガーリー
今をときめくセブンティーン

雪国に高野聖に金閣寺
まずは触れて頁を開いて
昔の人が書いたものでしょ
そんなこと云わずにさあ
声に出して読んでごらんよ

こうして少女を仕立て上げ
私は一人笑みをたたえる
それは妖精を育てるのに似た
秘密めいたよろこびなのです
あの子はかわいい文学少女


-----------------------------------
未整理の文書フォルダから発掘したもの。
妹に捧げて書いたけれど本人には見せていない。


自由詩 文学少女崇拝 Copyright 雨伽シオン 2014-02-14 12:52:08
notebook Home 戻る