望遠鏡
千波 一也



遠くを見ていると
そこに至るまでの道のりが
ないもののように
錯覚してしまう

けれど
その錯覚が
誤りだとは言い切れない
正しいこととも
言い切れない

わからないことを
わからないままにして
のぞき見る鏡には
いったい何が
映るのだろう

いったい誰が
見ているのだろう









自由詩 望遠鏡 Copyright 千波 一也 2014-02-10 19:11:04
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