遠い橋
佐白光

いつもより赤い夕陽が レンズのかかった 目に映る
煙突からの かすんだ煙が風にさらわれる
家路へ急ぐ 人々の影が消えそうになる
この日常の風景の中にも 答えはない

自分自身を 分断している 心の叫び
いつからだろう
この想いを 心の中に棲まわせたのは
想いを届ける橋を渡りたい
どれだけのものを失えば 渡れるのだろう
どれだけの悲しみを振り撒けば 渡れるのだろう
渡りたい 渡らずにはいられない
人を好きになってしまった 想いから
逃げられない 逃げたくない


自由詩 遠い橋 Copyright 佐白光 2014-02-09 01:27:51
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