丘をのぼる
梅昆布茶
丘をのぼってまたひとりになったならそこには
すがすがしい空気の夕暮れが凛としてあるのだ
街の喧騒が遠くでささやくように聞こえても
揺るがずにきちんとたたずんでいるものに逢いたかった
自嘲の貼り付いた安っぽい心根を捨てるにふさわしい場所だ
だれもひとりでは生きられないがけれども
おなじ生をいきることもできない
寸分違わぬ愛があるなら採寸者を呼んで型をとらせ
世界中に複製を蔓延させようかそれとも
ここからみえる窓のひとつひとつの
すべてのこころに灯がともるように
夕暮れの丘から街を望む自分でいようとおもう