オリオン星座
aida

オリオン星座に覆われて
真夜中道を一人で歩く
草は寝息を吐き出して
木々は伸び上がるのを休んでる


蛇行しながら伸び行く夜道
等間隔の電信柱
夜空を切りとる電線たちを
交わし合う言葉が唸らせている


ぶぅーん
  ぶぅーん
 ぶぅーん
      ぶぅーん

見えないささやきは空を震わし
星の光を弱らせる


私はタバコをふかしてる
息が寒さで白いので
どこまで煙でどこから息かわからない
渦巻き模様を宙に描いて
消えながらオリオンへ昇る


街灯が近づく度に
現れ巡る私の影
はがれないで側にいてね
アスファルトは冷たいでしょう?


歩いても歩いても家に着かない
深海魚のように身を沈める真夜中
切りつける冷たさに
あたたかい記憶
辿り着けるはずの家を乞うて


自由詩 オリオン星座 Copyright aida 2014-02-06 18:32:16
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