完成と欠如
ドクダミ五十号


 思い出したくない事を思い出す

 忘れたい事はまざまざとして

 それらは破片だ

 ジグザグに切られた欠片でもあるな

 完成されないパズル

 枠を試行し

 直線を求め

 一つ

 そしてまた一つ

 内側に向かうが


 誰もそこに嵌め得ない

 
 侭に終える


 誰だ!

 お前は!

 何だ!

 記憶よ!



 そうして世は明ける

 苦い記憶と忘却に近い飲料

 胃に満たすべきは

 いったい何なんだろうか


 つまりは無数と言って良い

 パズルを組み立て

 未完成な事

 ソレが人生ではなかろうか

 昨日

 刃物が対象から逸れて

 傷つけた手の赤さを明さが観ている


自由詩 完成と欠如 Copyright ドクダミ五十号 2014-02-04 10:18:16
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