こまどり
フユナ

誰がこまどり殺したの
そう問うてみても
こたえはなかった
誰もおぼえていないのだ
すずめも 雄牛も ヤマバトさえも


夏祭り
遠くに母を見つけて
手を降ったあなた
振り袖で
回ってみせた あなた
夜の海にはしゃいだ あなた は
ふくふくと笑いながら
胸には矢を刺している
あなたはあの時
もういなかった ことになった


誰がこまどり殺したの
それは わたし、 と声はなかった
誰もおぼえていないのだ
真夏も雪もさざなみさえも


さあ
戻っておいで
こまどりたち
透き通る高い空を
見つけてほしいと
飛ぶのを やめて
今はもう わたしだけが
あなたの小さな
小さな巣なのだから





自由詩 こまどり Copyright フユナ 2014-02-02 22:05:40
notebook Home