時よ 止まれ
ichirou

告別式が終わった後
私は港公園にいた
公園の小山の頂上から見る景色は
重く深い



荼毘に付された
血と肉は
二酸化炭素となって空に溶け
骨は
長い間の雨水で骨壺から溢れ出し
きっと駿河湾にたどり着く


濃紺だ

空と駿河湾

空は閉じ
駿河湾は異界の様相で
冷たい反射を繰り返す

それはまるで
生と死の
交わりを拒絶するかのように


いつか
私の母も死ぬ

時よ
止まれ





自由詩 時よ 止まれ Copyright ichirou 2014-01-27 05:28:15
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