おばけやしき
春日線香

さっき来た人からおばけやしきの話を聞く
夜になるとあやしい光や音がよく目撃されるとのことで
なかなか借り手がつかなかったのだが
ある日 怪異は近所の子供の仕業だったと判明して
ひとまずは一件落着したという
もういいかげんに老朽化したその家は
一旦取り壊すことに決まって工事が始まった
家屋を取りはらい もろくなった土台をひっぺがしたとき
いつの時代のものかわからぬ骨がたくさん出てきた
わたしもそこに長いこと埋められていたのですよ
と さっき来た人はそう言っていた


自由詩 おばけやしき Copyright 春日線香 2014-01-22 21:08:59
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