踏切
……とある蛙

かんかん光る
かんかん踏切
かんかん降りる遮断機の
かんかん赤い光の点滅

その先線路を
飛んで行く
暗闇の中
急行電車が
飛んでゆく。

かんかん手を振る二歳の息子
電車を見ながら笑っている
夕日はとっくに夢の中、
背負うおやじの肩越しに
次の電車を待っている。

かんかん手を振る幼子は
風と一緒に舞い上がる
おやじをかんかん踏み切りに
残して夜空に舞い上がる
おやじはそれでも踏み切りで
次の電車を待っている

かんかん踏み切り
鳴り止んで
辺り一面暗くなる
おやじは一人暗闇の中
背負った息子は夢の中

息子は宙から踏切見てる
おやじとかんかん踏み切りを
夜空の上から見下ろして
次の電車を待っている。

かんかんかんかん
かんかんかんかん
かんかんかんかん
次の電車を待っている。



自由詩 踏切 Copyright ……とある蛙 2014-01-22 16:39:54
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