ユリイカ
中山 マキ








充足させるけれど
後腐れない
都合のいい場所には
都合のいい関係が出来上がる

手と手を取り合って行く
吉祥寺あたりのラブホテル
目指していた楽園も
朝になれば鴉と一緒に
空に放たれるから

泣けないほどに強がって
理屈のない感情は
ずるい言葉ばかりを
探してしまう

誰かが誰かを陥れる様子に
他人事の安心感を手に入れた
人の弱さを食いものにして
きっと地球は回っているから

どれだけ歩いても
あなたの背中が見えないはずだ









自由詩 ユリイカ Copyright 中山 マキ 2014-01-15 17:11:10
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