七色硝子の国
海鷹四季道

暗闇の中、老人たちは進んでいく。
右手に白杖と、左手にステンドグラスのランタンを持ちながら列をつくっていた。
夜光虫を引き連れて歩いているような、美しい列の先は遥か彼方だ。
美しさに目がくらんで、気がつくと同じ道を歩いていた。
暗闇の中にも無数の道があることを知りながら、一人で暗闇に挑めない。
意味を知らない美しさの果てに何があるのか。
暗闇の中にだけ答えがある。


自由詩 七色硝子の国 Copyright 海鷹四季道 2014-01-13 01:48:43
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