取り出せもしない 存在
藤鈴呼

かつて 営業時代に 
一度だけ 映画を観に行ったコトが 有った

何処から サボリなのか 
何処までが マジメなのか

線引きをしたかった お年頃

あの頃は 若かった なんて
十年一昔 経た今だから

生きて来た 時間が 

どんなに 下手だったって
果物の ヘタみたいに

ついでの様に くっついた 存在だったって 
良いんだって

あの時に 眺めたのは
アルマゲドン だったのか
インデペンデンスデイ だったのか

恐らく 後者 なんだけど

数年後 何度も 
アナログ再放送を 愛で過ぎて
有難味も 失せて しまったような

当時は 何と無く
自分は 巣食われた様な 気がしていて
足元を 掬われる方が マシなんだ なんて

韻を踏むことでしか
置かれた状況を 楽しめなかったけれど

今ならば 分かる 気がする

救われたのは
恐らく 心 だったんだ

取り出せもしない 存在を
一生懸命 慰める

飛び越える 必要も ないのに
世界は 何かに 包まれる

光か 闇か
覆われて居るのか

追い越して 生きるのか

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自由詩 取り出せもしない 存在 Copyright 藤鈴呼 2014-01-09 08:45:20
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