ねこやなぎ
藤原絵理子

つららが少しずつ短くなった
しずくがきらめいて揺れてる

あたしの頬に触れる指先は
ささくれだって冷たいけど
やわらかな子猫を抱くような
そんなしぐさから伝わってくる

手の冷たい人は
こころがあったかいんだよ

雪に埋もれた川のほとりで
春風が吹くのを待ってる
ネコヤナギのつぼみほど
あたしは愛されてる

冷えた指先をあたためて
乾いたささくれを癒してあげる

あたしはいつも感じてる
あなたのこころの中にある春
そんな冬をいっしょに過ごせる
静かに燃えてるあなたが好き

歩道の雪に湿り気が戻った
もう春はすぐそこにいるよね


自由詩 ねこやなぎ Copyright 藤原絵理子 2014-01-07 00:13:25
notebook Home 戻る  過去 未来