凧の無い空
番田
ペンを取る鉛筆立ての中は空っぽ
ノートの上でぼんやりと何かを考えている
鉛筆のないテーブル 蝶の舞う緑色の庭のすみっこで
一人でいたら 生きる者はすぐに死ぬのかも知れない
一人で詩の言葉を書くことに意味など無かった
意味については理解できなかったけれど
言葉を考えることの意味 それ自体は何だろう
事物が見えなくなる
空に消えかけた自分の姿を想像していた
心の中に覚えていた
覚えていた その 自分の体を
見えたものとしての骨にして
歩き出す 体は
きっと街で 目を
生きた その 頭を