花を食べる
ヨルノテガム






 ロケットが帰ってくるとき熱で燃えてめくれ 一本の花になり地球に刺さった その地点から波打ち拡がる花の生命は一気呵成に大地を満腹フラワー地帯へと脈打ち変化させる 驚き飛び立つ鳥たちの羽ばたきより速く花の血色は爆発的に走り伸び お洒落する間もなく丘へ草原へ駆け抜けた 都市にも花は咲き誇り侵攻し 人間の口元から花弁はちらりと漏れ出る ぼくが密かに恋したパン屋の若い女の店員にも耳飾りやら唇飾りやら小さな花の満開は溢れたが、すぐに店全体を街全体を何かのプレゼントのように覆い尽くし沈めた 花の種類はよくわからないが 花言葉は「別世界」。 そう名付けると 空腹な夕空が美味しそうに花弁をあかく透かして揺れる 埋もれてくる埋もれてくる埋もれてくる花  花伝いに誰か?の鼓動がする 人形に魂が入るという幽かな感覚に似たものがボクの中に逆流してきて 僕は見知らぬロボットとして動き出している そうだ以前、花伝いに誰かの鼓動を感じていたぼくがいたっ!







自由詩 花を食べる Copyright ヨルノテガム 2013-12-24 05:04:06
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