第五元素のArtificial・Intelligence
なけま、たへるよんう゛くを

小学一年生の頃の僕は
何を考えていたのかもう分からない
不安だったろう、それは分かる
今もそうだ、変われない部分だと思う
なんでロボットを作ったんだろう、
それが一番分からない
精密と技術と工学と、わくわくを
夢に換えてダンボールに詰め込められた、
それが一番分からない
紙製素材が「マシン」と動く
どこからそんな妄想を?
分からない、
理解しがたい
感情も理論もよく分かる
だがそんな自分を想像できない
…いや、どうせ幸せだったのだろう。

今はもうどうだ、夢の箱を
崩して畳んでゴミに出す
誇りのかぶったダンボールを
目の前から消し去ろうとする
それは要らない必要ない、と
六年の永きを過ごした夢は
ゴミに 出す。
カレーについてたっけか、ポケモンシールも
剥がさぬまま出す、大切でないから
工夫を凝らした自己慢じまんの機体を
無情に切り取り潰して捨てる
開頭手術を負えました、中には
見えないA・Iが鎮座ます
…うん、見えない。

地水火風、最後に空。
何もないと言うことが
大きなロボットの台内たいないを満たして
…いや、無くなってしまったんだろうか。

今居ないのは手伝ってくれてたおばあちゃん、
は居るし、
神経質な餓鬼がきに「ロボに触るな」なんて書かせたクラスのみんな、
も居るし、
別に手伝ってくれなかった両親、
も居るし、
一番頑張ってた僕、だろう。
消えてしまったもの、生真面目な、一生懸命な、希望一杯な、
…うん、その僕はもう居ない。

さよなら夢見の機械よ、
今より僅かの時ののち、
おまえは焼却処分だ。


自由詩 第五元素のArtificial・Intelligence Copyright なけま、たへるよんう゛くを 2013-12-17 19:10:11
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