Ribbon
マーブル



穏やかな顔して眠ってる 
黒いリリーが好きって 
ヒール鳴らしながら言うあの子
天使に用はないわって 
うつろな目で空をみあげている 
メキシコのドクロが垂れ下がったドアノブの前で 
崩れ落ちるように泣くあの子
悪魔になりたいと 
うるんだ目で寂しげに笑う


僕は思う もうほどけたリボンの色なんて 何色だっていいんだってさ


口内の月はレモン味 
あの子は月の匂いがする 
とてつもなく儚い匂い
さようならを口にする 
男がどこかで待っている気がして
どこまでも追いかけっこ終わらないねって言う 
夢をみているあの子
カナリアはすでに 
この檻を飛び出たところだったよ


あの子は思う 飽きられた世界でも わたしは乗っていたいってね


窮屈な嘘はすぐに トンビのエサになるよと 僕は思う

本気じゃないなら 手紙は燃やしているよと 僕は言う


シンデレラは自ら 飛び出したんだわと あの子は言う

信じ続けること それしかできないと あの子は思う


沈みはじめて やっと分かったこと 
僕は夕陽で あの子は


行き違うことに慣れないでと あの子は走り続ける
追い抜いてみなよと 僕は走り続ける


がむしゃらに走り続けて 赤茶けた 夕暮れ ながめてる僕らがいた
















自由詩 Ribbon Copyright マーブル 2013-12-10 08:39:43
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