祝祭
白雨

ずっと鳴りやまない信号の点滅。浸透しひろがる警告音。

点滅と、警告音・・・・。

闇の中のスズメバチ。果てしなく続く、祝祭。

僕はうんざりして箱の中で欠伸をする。


―にぎやかに揺れる遮断機。レコード針を交換してこっそり楽しむ、

ながく続く休日、

退屈だけどスリリング


退屈だけれど、スリリングだ。

抑圧された思い出のさきの、ユニオンジャックのうしろ側は。

僕は突然発見する。「うしろ側」の楽しみを。


どこかしら

ロリポップの予感のする遠い警笛、甘ったるく、

持て余したノスタルジーが上昇して、

やがてハジケ散るかもしれぬ、ジュークボックスのざわめき。


やってくるのはノボリか、クダリか、

僕は田舎へ帰るところ

昔の都会にあるものは、

色めくツィッギーのツケマツゲ。


―蒸気機関のうさぎ電車が、

モクモクと沸騰したアイロンの玩具を吐き出しながら、

わたいろの木製の軌道を行進する。


ああこれこそが祝祭の醍醐味。

燦然と輝いたヴァニティ・フェア

押し殺された、ブルー・スカイ


自由詩 祝祭 Copyright 白雨 2013-12-09 00:07:15
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