青薔薇
藤鈴呼

いつも 羨ましいと 思ってた
いつか 欲しいなと 願ってた

願いが 叶った 七年目
ラッキーセブン の ストライク

流れる涙 玉のよう
溢れる心 波のよう


花の 好きな 母さんに
記念日には 必ず 贈っていた あなた

きっと 私の知らぬ 時代から
ずっと ずっと 送り続けて 来たのでしょう

離れた 場所が
一瞬に 縮まる みたいに

パッ と 咲く 花びらを
想像していたの


昨日 あなたは 言いました
会社に 忘れ物をしたから 取って来る

二人で カラオケに行こうと
着替えをした 後のこと


休日に 仕事をするのも
最近では 当たり前に なっていたから

送り出すことに
何の 躊躇も 無かった

その 台詞は
至極 自然で

姿勢を正して タイピング
あなたが もうすぐ 戻るから

出掛ける前に メールも チェック
嗚呼 嬉しいな
フライング メッセージ も
届いてる

暫く経った頃
チャイムが 鳴った

あれ? 帰って 来たのかな
もしかして 鍵 忘れたのね

いそいそと 覗く ドアの ○あな
あなたの姿が 見え隠れ

ガチャッ
音が 響いた瞬間
あなたの 声が 重なった

おとどけもので〜す

少し 間延びも したような
一瞬で 目の前が 華やかさを 増して
瞳は 釘付け

嗚呼 いかん! と 思った
もうダメだ! と 思った

次から 次から 溢れる涙

面白いのが 有ってねぇ
青い バラなんだよ

あなたが 何か 言っているけど
うんうん と 相槌を 打ちながら

とにかく とても 嬉しくて
出て来る 言葉は

わぁ! すごい! きれい!
ありきたりの 繰り返し

さっき出た 涙が
気化して 世界を 循環して
もう一度 瞼の裏に
隠れん坊 しているみたい

でも すぐに 見つけられて
また 追いかけっこを しているの

あんまり 止まらない もんだから
ちょっと あなたも もらい泣き

そのままで シャッター チャンス
フライング ゲッドで ありがとう

最高の サプライズで
帰って 来たら

ケーキを 買いに 行った後で
カラオケしようって 言ったのに

そんなの 全て
どうでも良く なっちゃって

食事前 向かったのは
ホームセンター

花の 延命剤の 液体を
ペットポトルの花瓶に 流し込む

人工的なのは アレだけれど
きっと この 青さも
染め上げ技法 なのでしょう

冷や汗で 青く ならないように
サムシング ブルーが 良いね

ブルームーンは 眺めなかったけど
今日は 本当に

once in a blue moon
love into blue rose

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自由詩 青薔薇 Copyright 藤鈴呼 2013-11-30 13:05:11
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