重み
たまごボーロ
行き場はなくて、居場所はなくて、
冷たい風にふかれて、縮こまって悪態をつく。
つまらないことは嫌いだ。
つまらないことは好きじゃない。
言葉はなくて、思いはなくて、
砂になった物を眺めてはひとり寂しく呟く。
孤独は嫌いだ。
孤独は好きじゃない。
願いは遠く、だが祈りを続ける。
ショーケースの向こう側の暖かいものに惹かれてしまうんだ。
自分には遠いモノなのか。
自分には遠いのか。
ポケットに手を突っ込んで、歯の根が噛み合わない理由を探している。
そんなこと無いさ、俺は大丈夫。
きっと俺は大丈夫。
嗚呼、今日も明日も明後日も、
自問自答を繰り返し、
答えのない思考を巡らせて、
心にのしかかる重みを感じている。
暖かさも、優しさも、思いやりも、愛おしさも、
ぜんぶ砂になって飛んでいくよ。
強い風に吹かれてしまって、散り散りになっていくよ。
嗚呼、寂しさをぬぐい去ろうと冷たい街をうろついても、
冷えた手ではなにも暖めることはできないんだ。
でも、暖かさを知っているなら、求めずにはいられない。
冷たい手で、誰かの体温を奪っても、
求めたい、求めていたい。
愛したい愛されたい。抱き締めたい抱き締められたい。
いっそこんな気持ちを吐き出したい。
そんな重さを感じている。
もたげた頭の重さを感じている。
心の重さを感じている。
それでも生きたいと願う
自分の重さを感じている。