ラグビー観戦Ⅱ
N.K.

去年は勤労感謝の日だった
今年は勤労感謝の日を土曜に控えた週の
日曜日だったので
特に勤労を意識はしなかったが
去年は競技場に行くまでに迷ったから
今年は入口まで迷わず行けてよかった

少しは君たちがトライを目指す気持ちに
近づけただろうか?
迷わないことで

去年は雲が晩秋の陽を曖昧にしていたから
今年は陽に照らされる緑がそれだけ映える
去年はただただ走る君たちを
闇雲に応援しながら確かめていた

今年は受け取ったボールを
キックで相手陣に蹴り込むことはできたのに
相手の中へ11番が
突進していくから
身体ごとの勇気を受け取ったようだ
今年は受け取ったボールを
バックスを二人飛ばして繋げた10番のパスから
イマジネーションを手渡されたようだ

後日 相手の中へ突っ込んでいく
君の姿に勇気を感じたと伝えたら
無言だった
11番は普段はあまりしゃべらない

後日 君のプレーにはイマジネーションを感じると言って
パスを返したつもりになっていたら
イマジネーションって何? と10番は聞いてきた
英語はあまり得意ではなかったか

朝に暖房を使うようになった室内から
早朝の外の寒さの中へ
踏み出しては
君たちのことを応援している
与えられた場所で
チグハグながら
伝えたい言葉を繋げられたらと願いながら
君たちを応援している






自由詩 ラグビー観戦Ⅱ Copyright N.K. 2013-11-25 23:09:33
notebook Home