触れようとするもの
ねことら





きみのおくの ひかるとかげ
ねむそうで やさしいしるし
触れようとした すこし


ここも ひんやりと
朝の気配に 湿ってしずかだ
空になったペットボトル
森のなかの まぶしい石のようで
慎重に 方角は確認する
ひとつずつ まちがえないように


遠い井戸の ふかくを想う
きみのねむる 国のことと
そこに生える 木々のことを
たしかに打った 熱のことを


この部屋は
シュレッダーにかけた 紙くずで
あふれて
どれも 中身はわからないけど
たいせつなものだね
だいじょうぶ
遠い井戸と きみへ 
どんなときも いのってる


どこにいて どこからでも
やわらかい呼び声の しっぽをたどる
いつも そこにきみはいて 
あたたかい スープをさしだしてくれる


ありがとう
どんな思い出も あたためてくれて
ありがとう











自由詩 触れようとするもの Copyright ねことら 2013-11-24 23:22:07
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