僕だった
ベンジャミン

空き缶を蹴飛ばしたら、僕だった
残っていた中身が飛び散った、僕だった
野良犬が怒り狂って追ってきた、僕だった


慌てて電柱によじのぼって見回した


空き缶は車に潰されてぺちゃんこで
飛び散った液体は日に焼かれ蒸発し
野良犬は悪ガキにいじめられていた


どれもこれも僕だった


電柱には影だけがぶらさがり
電線の鳥は飛び立てずに怯えていた







僕だった









自由詩 僕だった Copyright ベンジャミン 2005-01-11 02:25:47
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