指 タクト
砂木

心の言葉と 言葉の心
写し身流れ 姿はともる

おりごとの戸の 金具は錆びて
つけかえる鍵 やがてはつきる

のぞきこむ目が 目隠しをする
指文字が消す しめった曇り

息吹きかけて 曇らしのぞむ
冷たい息は この世にはない

知らない事を しるそうとする
形に添って たどり かたどり

割ったら 風のおなぐさみ
目 耳 夢も 両手で塞ぎ

写し身無くし 息してる
凍えた両手に 息吹きかけて

指文字を書く 残らず消える
しるすすべなく 空を流れ

舞い 舞う 舞え
散る事さえもできなくてゆく

銀杏 紅葉 積もった枯れ葉
踏みしめ 蹴散らし 目を瞑る 


自由詩 指 タクト Copyright 砂木 2013-11-24 09:05:09
notebook Home