【 途上の人 】
泡沫恋歌

プライドや
スキルや
イデオロギーといった
後付けアイテムで体裁を整え
何層にも膜を張って
“ ハッタリ ”という殻で
コーティングしたら
実物より 
やや立派に見えた

だが
本質と虚構との間に
隙間ができている
ヒビはどんどん広がり
深淵のクレバスが口を開いて
冷めたい空気が流れ込んだ
自分を見つめる
もう一つの眼がある

“ 非 ”だった

葛藤や
ジレンマや
躊躇してはいられない
いろんな物を身に付けたつもりで
実は何一つ掴めていなかったことを……
ここに来て気が付いた
“ カラッポ ”の箱
自分を律する
意思の強さを身に付けたい

進むべき道はある
さらに内なる宇宙精神世界へ旅をする
創作に終わりはない
自分探しは
まだ終わっていない
私は“ 途上の人 ”なのだ

怖れてはいけない
振り向いてもいけない
前に進めば
それが道となる



                        2013/11/13


自由詩 【 途上の人 】 Copyright 泡沫恋歌 2013-11-13 11:43:53
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