招き猫
nonya


いつも待っている
誰かを
何かを

右手か
左手で
いつまでも招きながら

黄色い砂埃も

べたべたしたちっちゃな手も

酷い陽射しも

すぐに味がしなくなる憐れみも

落葉の掠れ声も

いかにも慈悲深げな薄笑いも

凍みる放射冷却も

クラクションのような「かわいい」も

見られることで
僕は新しくなれるから

触られることで
僕は深くなれるから

いつも待っている
誰でも
何でも

いっそ
両手で
いつまでも招きながら

いつも待っているから

おいで




自由詩 招き猫 Copyright nonya 2013-11-12 18:22:32
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